文例付浄土真宗の喪中はがきについて
毎年11月頃になると喪中はがきが届き始めます。「喪中のため新年のご挨拶を控えさせて頂きます云々」のあのはがきです。
あまりにも当たり前に送ったり、届いたりするので気づいていない人も多いと思われますが浄土真宗には「喪中」という概念がないってご存知ですか?
ご安心下さい。ちょっと形式や名称を変える程度で浄土真宗の教えに則した喪中はがきの作製が可能です。
今回は浄土真宗用の喪中葉書の文例や浄土真宗だけではなく、他の宗派のどの家にも共通で送れる喪中葉書の文例もご紹介します。
浄土真宗の喪中葉書まず喪中の意味から
親族が亡くなった時に遺族が一定期間身を慎み喪に服する期間。
死は穢れと考えられており、穢れが強い期間を「忌」と言い、穢れが薄らいだ期間を「喪」と言います。
「忌」が明けるのが亡くなってから四十九日目(満中陰) 「喪」が明けるのが一周忌というのが一般的な考え方です。その期間内は神社へのお参りや祭事、慶事に参加することを慎みます。
「忌」や「喪」という死を穢れとする概念は「人は亡くなるとただちに阿弥陀様に救い取られてお浄土に生まれる」という考え方の浄土真宗の教えにはそぐわないものです。
※また本来仏教自体が死を穢れとは捉えません。神道の影響もあるのではないかと思われます。神道は死を穢れととらえるので神社には通常お墓がありません。
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喪中がないってことは喪中ハガキ出さないどころか年賀状出してもいいの?
いいんです!
(注:ただし先方がこちらが浄土真宗の門徒だと理解してるとは限りません)
でも他の家の人も喪中ハガキを出してるし、うちだけ出さないのも…
それに亡くなったことを連絡してない故人の友人知人にも知らせないと…
そのとおり、うちは浄土真宗だから!と頑なに教えを守り世間との軋轢を生んでも仕方ありません。
一般的な常識に配慮しつつ、浄土真宗の教えからもかけ離れず、尚且つ故人の友人知人に連絡を送りたい。
そういう時は喪中ハガキではなく年賀欠礼ハガキを出しましょう。「喪中」やその他の浄土真宗にふさわしくない文言を避けて家族が亡くなったことと、年賀状を控える旨をお知らせします。
浄土真宗的喪中葉書(年賀欠礼ハガキ文例)
難しく考えることはありません。文頭の目立つ「喪中につき」という文言とNGワードを別の言葉に書き換えればOKです。
新年のご挨拶をご遠慮させて頂きます
父 山田太郎が 月 日に浄土に往生致しました。
父のいない初めての正月は父を偲び心静かに迎えたいと存じます。
つきましては年末年始のご挨拶を失礼させていただきます。
本年はひとかたならぬご厚情を賜り厚くお礼申し上げます。
明年も変わらぬご交誼の程お願い申し上げます。※"明年も"ということで遅くとも12月初頭くらいには届くようにします
「新年のご挨拶をご遠慮させて頂きます」が堅いなと思ったら新年のご挨拶にかえてとされてもいいでしょう。
文例では「浄土に往生」以外は専門用語も使っていませんので、どの宗派の家にもシンプルに出すことができます。
専門用語で書くと浄土に往生は「浄土往生の素懐を遂げました」と書き替えることができます。
かねてから願っていた浄土へ往生することが叶ったという意味合いです。または還浄致しましたと書き替えることも可能です。
ちょっと固い印象になってしまうので熱心な浄土真宗門徒方に送るようにしましょう。
年賀欠礼葉書を送るタイミングは一般的な喪中葉書と同様に11月中がよろしいと思われます。
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浄土真宗用に喪中ハガキを改変すると
届いた喪中はがきを浄土真宗でも通用するように変換すると
難しく考えなくても普通の喪中ハガキの「喪中」や「永眠」という浄土真宗には相応しくない文言を取るだけでも浄土真宗用の「年賀欠礼ハガキ」に作り替えることが出来ます。
※「死去」は使用可能ですが「逝去」ですと他の人の死に対する言葉になってしまいますので使わないようにします。
浄土真宗の年賀欠礼葉書さける言葉
色々説明しましたが、この辺のワードが入っていなければ十分に年賀欠礼葉書としては通用します。
ただし「喪中」というワードだけは使わないようにしましょう。
メモ
・永眠 (浄土に往生)
・霊前 (仏前、ご尊前)
・天国 (浄土)
・戒名 (法名)
・草葉の陰 (浄土)
・冥福を祈る (哀悼の意を表します)
※()内は言い換えた場合の文言
浄土真宗には喪に服する期間がありませんので、もちろん慶事に参加することは可能ですし、神社にお参りしてダメということはありません。(おおっぴらに言うと嫌がられるかもしれませんが)
何度も言いますが世間との軋轢を生まない程度でお願いします。
参考になれば幸いです。
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