その通りではありますが
という方も多いのではないでしょうか？お遍路などに行くと各お寺の御本尊の前でお勤めします。
二百六十二文字で書かれている般若心経、日本で一番となえられているお経かもしれません。
色んな宗派があるのに日本の仏教宗派共通でとなえられる般若心経なのに…浄土真宗だけツッパっているのでしょうか？
唱えない理由について説明していきたいと思います。
浄土真宗で般若心経をとなえない理由とは？
多くの宗派でお勤めされている般若心経ですが
浄土真宗ではお勤めしません。ひとつの理由が浄土真宗の教義とは異なる要素を含んでいるからです。
では浄土真宗の教義と般若心経の意味などから考えていきたいと思います。
般若心経をよまない理由①浄土真宗の基本的な教義との違い
煩悩を克服できないため、善の一つも行うこともできず、悟りとは程遠い凡夫が阿弥陀様の必ず救うぞという本願を信じ、「南無阿弥陀仏」とお念仏をとなえ、よろこぶ身になった時、浄土に往生することが決定(けつじょう)する。
いわゆる他力念仏の教え
それに対し般若心経のおおよその意味は
般若心経のおおよその意味
一言で言い表すのは難しいですが、おおよその意味は「空」の思想と般若(菩薩の智慧)を得て悟りを得ましょう彼岸(浄土)に至りましょうという実践行といわれます。
簡単に言うと自力修行の教えだからです。
つまり他力念仏の教えとは考え方が異なる部分があるのがわかります。
親鸞聖人もおっしゃっておりますように我々凡夫は「いずれの行も及び難き身(歎異抄より) 」であり、自力で悟りを開こうというのは大変難しいことです。
お念仏こそが阿弥陀様にお救い頂き浄土へ往生するための唯一の行であると明らかにされています。
般若心経をとなえない理由②阿弥陀様が出てこないから
先ほど般若心経のおおよその意味を紹介しましたが、もう一つ大事なことがあります。
般若心経には阿弥陀様がまったく出てきません。
般若心経の登場人物は観音菩薩と舎利弗というお釈迦様の弟子のみです。阿弥陀様のことにも全く触れていません。これも浄土真宗で般若心経を唱えない理由の一つでしょう
般若心経を唱えない理由③なぞの真言(マントラ)が登場するから
般若心経の最後の部分「掲諦 掲諦(ぎゃてい ぎゃてい)」の部分。
これはマントラと言って真言や呪文のようなものとなります。なので真言とか御祈祷などに頼らない浄土真宗の教義と相反する部分になります。
こちらが含まれているため唱えることはありません。
人間が呪文をとなえてもどうにもならない(もちろん坊さんも含む)救ってくれるのはあくまで阿弥陀様ということです。
浄土真宗のお寺で「病気平癒の祈祷」とか「開運御守」が売っていないのも同じような理由です。
浄土真宗は般若心経をとなえてはいけないのか
唱えない理由はわかりましたが、ではとなえるとお寺に怒られる？
となえないとは言いますが、浄土真宗は般若心経を否定しているわけではありません。
仏教には様々な宗派があり、よく山登りに例えられます。
山頂を目指す(悟りを目指す、仏になる)という目的は同じですが、そこへ至るルートが異なるというわけです。
※山頂まで登るの自力では無理だから阿弥陀様に連れてってもらおうが浄土真宗。自分の足で山頂を目指そう！というのがその他宗派。
浄土真宗には浄土真宗の 他宗派には他宗派の救われ方があり、ただ浄土真宗では般若心経などの自力修行の教えではなく他力の教えで救われるというのが本来です。
となえてはならない！ではなく となえる必要ないのではないかな？くらいのニュアンスです。
※以前にも紹介しました初詣に神社に行ってもいいけど、お寺で阿弥陀様にお参りすれば充分では？と似た感じです。 このような疑問をお持ちの方必見です。 浄土真宗のご家庭のお正月の過ごし方迎え方について、お仏壇の飾り方や用意するものを解説します。 お仏壇の中に何か特別なものを用意する必要があるのでしょうか？また喪中 ... 続きを見る
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そんなのお寺も百も承知だけどいちいち注意しないんでしょうね(笑)
「今までの習慣だから仕方ないけど、阿弥陀さんにきちんと手合わせなよ」ってところでしょうか
浄土真宗で般若心経読まないことまとめ
般若心経をとなえない理由
・般若心経は自力で悟りを目指すためのお経だから
・般若心経には阿弥陀様が登場しないから
・般若心経に含まれる真言が教義と反するから
・般若心経をとなえてはダメではなく、となえる必要がない
という浄土真宗の門徒の方は讃仏偈(歎仏偈)や重誓偈(三誓偈)をお勤めしてはいかがでしょうか？
どちらも短いですが大無量寿経のエッセンスがつまったありがたい偈文です。
参考になれば幸いです。