火事の原因 線香の火を消し忘れた!線香の火って消すものなの?
田中角栄氏が建てた大邸宅が火事で焼けたというニュースが記憶に新しい所だと思います。
火事は一大事ですし、お怪我がなくて何よりですが、気になる証言 田中真紀子氏の
「線香の火を消し忘れた」
毎日仏壇の前でお参りをする方ならちょっと気になりませんか?
え!線香って火事の原因になるの?
ではなく私が気になったのは「線香を消し忘れた」ということは「普段は線香を途中で消していたのか?」ということ。
うちは西本願寺なので香炉の中で線香を立てずに寝かせて焚くので、火事になるなんて考えてもいませんでした。(ろうそくならともかく)
線香の火で火事のニュースを聞いたお客様の声
線香が原因と言われる田中邸の火事の後、お客様から様々は言葉を聞きました。
・火を使わないLEDの線香ってないの?
・蝋燭は気を付けてたけど線香も怖いんやな
・議員さん捕まってるし証拠隠滅かもな(笑)
・母親にもう線香焚くなって言うたったわ
ろうそくで火事はよく聞く話ですが、今回のニュースは線香までもが怖いものだというイメージになっているようです。
もちろん条件は様々ですが、色々な物の上で線香を寝かせて燃やしてみました。
田中家の宗派は?
田中角栄氏の戒名を調べてみると政覚院殿越山徳栄大居士
戒名から判断すると禅宗だと思われます。
禅宗の線香の立て方は1~3本を香炉の上に立ててお参りします。それを消し忘れて仏前を離れたところ、線香が倒れて残った火が何かに燃え移って火災が発生した。
このような流れになると推測されます。
そこで火のついた線香を倒して通常仏壇周りにあるものにつけてみました。
※香炉の灰の中で線香が燃え残り、高温を発したため発火に至ったというのは考えにくいです。金属製の香炉が割れるなんて溶鉱炉並みの火力がないと無理です。そんなの線香ではなくもはや兵器(笑)
線香の火で引火するのか実験
早速実験です。線香の長さは約15cm。燃焼時間は約30分。煙の少ない線香ではなく一般的な線香に火をつけて放置してみました。
香炉の中に立てて倒れるのを待つのは現実的ではないので「経机」「経机掛け(布)」「畳」の上に火のついた線香を寝かせるというぶっ飛んだ実験。
はたして燃え上がるや否や?
探求心に火がついた!…というのはブラックジョーク
経机の上に火のついた線香を落とす
禅宗のおうちはお仏壇の前の経机の上で線香を炊くことが多いです。
香炉に立てた線香が倒れて、火が経机について燃え上がる。木製品なのでありえないシチュエーションではありません。
ただバーベキューをされる方はご存じかもしれませんが、木材に火をつけるのは着火剤をつかわないと結構難しいものですが、いったい今回どうなるんでしょう?
消火用の水も用意して実験に挑みます。
ちょっとわかりにくいですが、線香に火をつけて経机の上に倒してみます。
煙が出ているのがおわかりでしょうか?
ちょっとどきどきしながら線香が燃えていくのを見守ります。地味な時間が過ぎていきますが、目を離すわけにはいきません。
火事になったら大変ですからね。
2分ほど経過しました。なんだか燃えているようには見えません。
…と思ったらなぜだか線香の火が消えていました。何が悪かったんだろ?リトライしてみました。
線香が湿気って消えたのかと思いきや普通に消えてしまいました。立てたのならともかく、寝かせた場合、香炉灰のようなやわらないものの上じゃないと燃えないのでしょうか?
結局「点」のような焦げ跡がついたのみでした。
実験結果:経机(木製品)の上では火力不足
経机掛け(敷布)の上に火のついた線香を倒す
今度は別のもので実験。経机の上には傷防止のために経机掛けというマットが敷いてあることも多いです。
※田中邸のお仏壇の前にあったかは不明ですが
やはり木製品に直接火をつけるには線香では火力不足だったのでしょう。
キャンプで火を起こす時もいきなり木材に火をつけずに新聞紙や葉っぱなどから徐々に火力が出そうなものに火を移していきますからね。
またもやわかりにくいですが、火のついた線香を布の上に倒してみました。
木製品に比べるとペラペラなので、線香の火とともにモクモクと煙が立ち上り‥
とはならず、こちらもまもなく線香の火が消えてしまいました。これは予想外。
今さらですが、経机掛けって難燃加工が施してあるのを忘れていました。もしかして反則かな?
実験結果:経机掛け(難燃加工品)燃え上がらず
畳の上に火のついた線香を落とす
とりあえず最終実験。今度は畳の上に火のついた線香を置いてみます。
お客様に「畳焦がしてもうたわ~」と言われることも多いです。アルアルな失敗ですが、燃え上がったという話はさすがにきいたことがありません。
果たしてどうなるのか?そしてこんなことしても本当に後悔はないのか?
今回は今までと違って、線香がどんどん燃えていきます。畳には荒い目があり、それによって線香の火の回りに空気が循環しやすいのではないでしょうか?
約30分経過で線香は燃え尽きました。画像ではたったの3枚ですが、じっと見張ってなければならないので体感時間は長かったです。
見ての通り燃え上がることはありませんでしたが、いったい畳はどうなったのか?
畳の上には何が残ったのか?
答え:残ったのは後悔の念
というのは冗談ですが
焦げ跡を触ってみましたが、まったく熱くはありませんし、火が畳の内部でくすぶっている気配もありません。
本当に原因は線香の火を消し忘れなのか?
実験結果:畳は焦げたが燃え上がらず
お線香の火で火事になる?まとめ
温度湿度などの条件が不明なので同条件は再現できませんが、線香を消し忘れたことによる火災は悪い条件が重なった結果でしょう。
この実験で何が言いたいかというと、よっぽどのことがない限り線香で火事にはなりません。大丈夫です!
今回ちょっとだけ悪者になってしまったお線香ですが、安心してお線香を焚いてお参りしてください。(だたし油断は禁物です)
別に名探偵ごっこがしたいわけではないので、田中角栄氏の時代から引き継いだ見られてはならない何かを燃やした!とか陰謀説なんて唱える気はありません(笑)
お線香というワードが何かの隠語を表しているとか勘ぐってもいません!
参考になれば幸いです。