仏教的クリスマス?花まつりの話
四月八日はお釈迦様の誕生日です。この日は全国のお寺でお釈迦様の誕生日を祝う行事が行われます。日本には色んな仏教宗派があって考え方も様々ですが、この花祭りの日に関しては足並みがそろっています。
専門用語?では灌仏会(かんぶつえ)と言いますが「花まつり」という名称で昔から親しまれています。
お釈迦様の誕生秘話
お釈迦様は釈迦族の王子として誕生しました。ルンビニーという美しい庭園でマーヤ夫人の右の脇腹から生まれるとすぐに歩き出し、七歩歩いて天と地を指さし「天上天下唯我独尊」と言ったのは有名な話です。
※ちなみに七歩歩いたということは「六道」(地獄、餓鬼、畜生、修羅、人、天)という迷いの世界から出られたことを表しているとされます。お釈迦様は生前「六道」なんてこと口にしませんでしたし真相は闇の中ですが
やっぱり王家の赤ちゃんはいうことが違うな
私は世界で唯一の尊い者だなんて…
違います
「天上天下唯我独尊」(天にも地にも我独りにして尊し)誤解されやすいですが、誰もがこの世にただ一人の人間として生まれてきたのだ。ならばみんなが尊いものだというようなニュアンスです
そしてさらに
天に現れた竜の王がお釈迦様の誕生を祝って甘露の雨を降らせたそうです。
花まつりで甘茶をかける由来
上記のようなお釈迦様誕生のエピソード(伝説)にちなんで、春の花でルンビニー庭園を模した花御堂に天地を指さす生まれたばかりのお釈迦様(誕生仏)を安置し、柄杓で甘茶をかけるようになったそうです。
江戸時代には、4月8日は祝日扱いで寺子屋などもお休みになったとか
しかし昭和になってから一般にもクリスマスが定着すると残念ながら水をあけられるかたちになっています…
カレンダーにもクリスマスは書いてあるのに花まつりは書いてないものが多いです。
花まつりがクリスマスより盛り上がらない理由
われらが救い主お釈迦様の誕生日!キリスト教でいうところのクリスマスに匹敵する重要行事「花まつり」ですが、クリスマスと比べると認知度、盛り上りともに部が悪いのは先述の通りです。理由を勝手に考えてみました。
テーマソングがない
子供が幼稚園や小学校で歌うおなじみの歌から、クリスマスの時期が近づくと しつこいくらいリフレインされている曲などクリスマスソングには事欠きませんが、花まつりにはこういうメジャーな曲がありません
※ずばり花まつりという歌もありますが何人の人が歌えるやら…
感動的なストーリーがない
心温まる話や感動話がクリスマスにはたくさんありますが、花まつりにはとくにありません。上記にあるような「母親の脇から生まれた」とか「生まれてすぐに歩いた」とか感動とは程遠い超人的な話しかありません。
季節が悪い
ああ雪だ!ホワイトクリスマスだね!手垢のついた台詞ですが、お釈迦様の誕生日は4月なので逆立ちしたってこんなロマンチックなことはおこりません…
春なので気候がいいのはありがたいですが…
プレゼントがない
クリスマスと言えば子供達にとって楽しみはプレゼント。お寺でお菓子がもらえたりはしますが、花まつりも子供を取り込む何かを考えたいところです…
数珠でも配るか!いや子供喜ばないし…
特別な食べ物がない
クリスマスと言えばケーキやチキンが思い浮かびますが、花祭りは甘茶くらいです…
あの甘茶特有の口腔内が騙されたような不気味な甘さはなんとかならないものでしょうか?現代の子供が喜ぶとは思えません(笑)
なにか子供が喜ぶようなことを考えないと
お寺の持つイメージが悪い
キリスト教の教会も西洋式のお寺のようなものですが、日本のお寺というとお墓とかお葬式とか暗いイメージをしてしまうせいでしょうか…
キリスト教の教会と比較すると華やかさがない。それどころか死のイメージがつきすぎている
企業がのってこない
恵方巻(2月)やハロウィン(10月)など昔からやってるけど、企業が仕掛けて一気に知名度を上げてきたイベントもあります。やはり独特の食べ物や雰囲気って大事なようです。
バレンタイン(2月)~ゴールデンウィーク(4月)までイベントの空白が続きますのでどこかの企業の方、花まつりいかがでしょうかね?
はなまつりの話暗くなってしまいましたが
人身受け難し=人として命を賜ることは難しいことだといいます。そして「天上天下唯我独尊」お釈迦様が言われたように一人ひとりが決して代わることのできない尊い存在であることを自覚し、生まれた意義を再確認するご縁として花まつりのお祝いをしましょう。
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