法事の際 焼香盆(または回し香炉)を用意してください。
法事(年忌法要)の打ち合わせをした際に言われる謎のワード「回し香炉」
実はそれだけ用意しても付属品が足りなければ使用できず法事の進行に支障がでます。回し香炉とはいったい何なのか?使い方も説明します。
焼香盆(回し香炉)とは?
回し香炉と言っても、もちろん自分の目の前で香炉をクルクル回転させることではありません(笑)
参列者の間で火種を入れた香炉(焼香盆)を順番に回して焼香することです。前の参列者から香炉が回ってきたら焼香し次の参列者へ回してください。
ややこしい話ですが、順番に焼香盆を参列者の間で回す行為も回し香炉。焼香盆自体を「回し香炉」と表現するお寺さんや高齢者もありますので注意が必要です。
※「回し香炉買ってきて」と言われたら 仏壇屋では焼香盆を買いましょう。「法事で回し香炉したいんですが」と言えばたいてい通じますが。
回さずに葬儀会館のように一人ずつ前に出て交代で焼香する場合もありますが、膝が悪い高齢者が多い場合、焼香盆を回した方が負担が少ないでしょう。
回し香炉(焼香盆)に必要な付属品
焼香盆だけを用意しても回し香炉はできません。以下、必要なものを解説します。
焼香用のお香
写真右側。刻み香や沈香(じんこう)、抹香(まっこう)とも言います。あまり混ざりものが少ないものの方が煙が立ちにくいです。
年に何度も使うものではないのでと安いものを選ぶと部屋の中に霞がかかったようになるのでご注意を。
香炭(こうたん)
炭でできたいわゆる火種。通常必要な分だけ折って使います。あまり一かけらが大きいものを購入すると火力が強いので注意!
間違って寺用のものを買うと香炉が触れなくなるくらい熱くなります。
香炉灰(ワラ灰)
火種を置くための土台になります。あまり浅くすると全体に熱が伝わり危険です。深く入れすぎても回しているうちにお香があふれてしまいますので、7分目くらいまで入れましょう。
左側の金属の方に香灰(ワラ灰)を 右側の蓋付きの方にお香を入れます。右利きの人が多いので一般的にはこの配置になります。
焼香盆の用意の仕方とタイミング
灰とお香をセットしたら次は火種の準備が必要です。
火種はお経とお経の間の休憩時間中に点火して用意しておきましょう。
休憩終了→次のお経が始まるタイミングで焼香 といった流れになることが多いですが、お坊さんによってタイミングが異なりますので、あらかじめご相談ください。
火種に話をもどします。香炭を一かけら折りライターで火を着けましょう。息をふ~っと吹きかければ段々と火が広がっていきます。燃焼時間は約40分ほどです。
火がきちんと着いたのを確認したら灰の上に火種をセットします。けっこう長い時間火がついていますが、法事が始まる前に用意してしまうと消えてしまわないかが心配です。
右側のお香の入っている方の蓋はあけて横によけておきましょう。
これで準備は完了。あとは読経のタイミングに合わせて焼香するだけです。
焼香盆きれいに焼香する火種のセットのコツ
「さあ焼香するか」とお香を直接火種に振りかけてしまうと、あっという間に燃えて煙が大量に立ち上ります。
火種が消えない程度に表面を薄く灰で覆っておくと燃え方が穏やかで煙も立ちにくいです。
※熱した灰でお香を蒸し焼きにするイメージで
焼香盆最後に気をつけたいこと
回さずに一人ずつ前に出て焼香したり、焼香の始まるタイミングはお寺様や地域によって異なりますので事前にご相談ください。
また火の取扱いにはくれぐれもご注意ください。
参考になれば幸いです。