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地獄行を回避!仏教的地獄から脱出する方法や行かなくて済む方法アレコレ

もしも死んだ後、地獄に落ちてしまったら?
考えたくもないですよね?ですが…

以前紹介しました地獄へ落ちる条件

地獄行の条件

地獄に落ちて元々
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以前紹介しましたように、地獄行の条件が厳しすぎて現代人は全員地獄行確定ということでしたね。

生前にやっておけば行かないで済む方法も紹介しましたが、今度は主に死んでからなんとか抜け出す方法について紹介したいと思います。

仏壇屋
知っておいて損はありませんよ
ただし責任は持てません(笑)

地獄へ落ちても抜け出せる方法

古今東西の仏教説話やお経の中から色々紹介していきます。内容が被っているものもありますがご愛敬ということで。

地獄行を回避裁かれる前に「私は日蓮の弟子だ」と閻魔様にいう

日蓮

日蓮宗の開祖 日蓮聖人

日蓮聖人のスポンサーであった波木井実長(はきいさねなが)は日蓮からの手紙でこのような言葉をもらっています。

「私はこの国では並ぶ者のいない法華経の修行者である日蓮の弟子です」と閻魔大王の前でいいなさい。そして霊山浄土の入口に到着したら私(日蓮)の名前を呼びなさい。そこで私は待っていますよ。

法華経に帰依した人なら閻魔大王の裁きをスルー出来そうです。生前の罪なんて裁かれたら地獄行は確定ですからね。

これって嘘がバレたらひどいぞ?
じいちゃん

閻魔様にウソがばれるとひどい目にあいそうなので、帰依するなら生きているうちに!

地獄からの脱出方法地獄でお地蔵様を探す

地蔵菩薩

道端のお地蔵さんとはイメージが異なりますね

お地蔵様=地蔵菩薩 菩薩なので如来(仏)を目指して修行中の仏様ですが地獄では頼りになる存在です。

お地蔵様は六道の中の上は天上界~下は地獄までどの世界にも助けに来てくれます。

延命地蔵菩薩経にもこうあります。(以下要約です)

お釈迦様が帝釈天に仰せられるには一人の菩薩があってその名前を延命地蔵菩薩という。六道をまわって教化をしています。この菩薩の姿を見るまたは名前を聞けば、その者は人間や天人の世界あるいは浄土に生まれることが出来るでしょう。

お地蔵様を道端で見たことがある人も多いと思いますが、「六地蔵」といって六体セットになっているお地蔵様がいます。

あれは「六道のどの世界にいる人も救いに行きますよ」というお地蔵様の慈悲の心を表しているそうです。

地獄からも救ってくれるなんて なんともありがたい「南無地蔵菩薩!」

ただし簡単に会えるかどうかは定かではありません。

地獄からの脱出方法地獄で観音様を探す

観音菩薩

色々な姿がある観音様

観音様=観世音菩薩 観音様で有名ですがこちらもランクでいうと菩薩です。しかし衆生を救うため、あえて悟りを開かず(如来にならず)に現場で活躍しているという仏様です。

餓鬼道なら千手観音、修羅道なら十一面観音と色々な形態で助けに来てくれますが、地獄なら基本形の観音菩薩の姿で助けに来てくれます。

地獄以外の六道にいても観音様は救ってくださいます。

仏壇屋
(地蔵菩薩のところでも見た設定だな)

また現世利益もあり「南無観世音菩薩」ととなえておけばあらゆる災難から衆生を救ってくださると言いますから、今のうちに唱えてご縁を結んでおくべきでしょう。

こちらも地獄で簡単に会えるかどうかは定かではありません

地獄で仏という言葉がありますが、こういう設定が元になっているのかもしれません。

地獄行を回避死んでからでも有効 念仏をとなえる

南無阿弥陀仏の御本尊

南無阿弥陀仏だけではありません

もっともメジャーな方法。前回は生前にとなえておくと阿弥陀様の本願により死ぬとすぐに極楽浄土へ行けると紹介しましたが、死んでからとなえても有効です。

ちなみに念仏と言えば「南無阿弥陀仏」一択と思われがちですが、仏の名前を唱えて地獄行を免れた話もお経や仏教説話の中に見られます。

念仏を唱えて地獄行を回避 ep1

日頃の行いが悪く、自分の母と同じ地獄へ落ちる状態であった君主に高僧がアドバイスをしました。

死ぬ前の七日間「南無仏」と唱え続けなさい。

君主はそのアドバイスを守りましたが、この世との縁が尽きると僧侶の予言通り君主は死ぬと魂は地獄方面へ…

さあ地獄行か?と思われたところ、生前の習慣で君主の魂が「南無仏」と唱えると他の地獄の亡者たちも一緒に唱えることに。

そこへ先ほどの高僧が現れ皆に仏法を説き、君主は悟りを開くことができ母親達も一緒に地獄から救われたというお話。

念仏を唱えて地獄行を回避 ep2

資産家の広利は信心深い妻に「このままでは死後に同じ世界へ行けないから 殺生や飲酒をやめるように」と言われますが改めようとしません。

そこで妻は

ではせめて近くの寺の鐘が鳴ったら指を三回鳴らしてから仏の名前を唱えてください

と言います。広利はこれだけは守りました。

仏壇屋
(指を鳴らすのって禅宗の坊さんがよくやる仕草ですね)

妻が死に広利がその三年後に死ぬと閻魔大王の審判を受けることとなり、もちろん地獄行が決定します。

閻魔大王

さあ地獄へというところで、どこかでお寺の鐘が鳴りますが、広利は生前の習慣で指を鳴らして仏の名前を唱えたところ。

閻魔大王は地獄から広利を妻のいる天界へ移し、広利は妻に感謝したのでした。めでたしめでたし。

色々紹介してきましたが、けっこう簡単ですね。

簡単に落とされるので救われるのも簡単なのかね?
じいちゃん
困る仏壇屋
地獄の設定が適当なのかもしれませんね

地獄の刑期が終わるまで待つ

地獄の刑期のイメージ

なんと仏教の地獄は永遠ではありません

今まであげてきた方法を覚えられない、仏の名前なんて唱える気がないという方もご安心下さい。もっと簡単な方法もあります。地獄で一定期間を過ごせばいつかは解放されます。

「地獄への片道切符だ!」という言葉がありますが、実は仏教的な地獄は永遠ではありません。意外なことに刑務所と同様に刑期のようなものがあります。

悪人過ぎて誰も助けてくれないような人はとにかく我慢しましょう。地獄の責め苦に耐えていればそのうち刑期がきて脱出が可能です。

一番楽な地獄でたったの9,000万年くらいですが(笑)

弥勒菩薩が悟りを開いて弥勒如来となるのが56億年後なのでそれと比べると短いもんです。

ちなみに地球上に人類が誕生したのが約20万年前だと言われています。

困る仏壇屋
設定が雑だろう!

ちなみに脱出と言っても新たに六道のどこかの世界に生まれ変わるだけなので、地獄を抜け出したと思ったらまた地獄!ということもあり得ます。

地獄行を回避する方法最後に

地獄に落ちない方法を色々紹介してきましたが基本的に仏様の名前を唱えればなんとかなりそうです。

日本人で「南無阿弥陀仏」と唱えたことがない人っているんでしょうか?初詣の神社でも唱えている人をよく見かけますよ!

神の前で南無阿弥陀仏(阿弥陀様を信じますというような意味)とは神に喧嘩売っとんのか!ってなりそうですが、いつの間にか地獄行は回避しているということです(笑)

参考になれば幸いです。




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